会計_Ver02. _「ローリングフォーキャスト-なぜ予算は“作った瞬間に死ぬ”のか- そして企業が“未来の数字”を見られるようになる方法」
- Shigenori Tanaka

- 3月1日
- 読了時間: 3分
更新日:3月9日
2026/03/01
どーもです。
今回は「ローリングフォーキャスト(Rolling Forecast)」についてのお話です。
■ はじめに:Budget=予算はなぜ早々に“死ぬ”のか?
多くの企業では、年初に作った予算が 3ヶ月で役に立たなくなります。
● 市況変動
● 原価の変動
● 人員の出入り
● プロジェクトの遅延
● 設備トラブル
現場は変化しているのに、数字は変わらない。
その結果、経営会議では「予算との差異分析」という 過去の反省会 だけが続きます。
ただ経営者が本当に知りたいのは、「これからどうなるのか?」です。
■ ローリングフォーキャストとは何か?
ローリングフォーキャストは、欧米企業では頻繁に使われている予算と実績をつなぐ“橋渡し”の役割を持ち、"未来12ヶ月(または6ヶ月)を毎月更新する予測”のことです。
● 予算は固定
● フォーキャストは毎月更新
この2つを分けることで、
経営は 未来の数字 を見ながら意思決定できるようになります。
■ なぜ中堅企業で導入が難しいのか?
理由はシンプルです。
「予測の元データ」が現場と経理で一致していないから。
● 現場 → 工数・外注・材料の“実態”
● 経理 → 財務会計の“制度数字”
● 経営 → “未来の数字”が欲しい
この3つがバラバラだと、ローリングフォーキャストは絶対に回りません。
■ ローリングフォーキャストを回すための3ステップ
【ステップ1】 “One Truth” を作る
前回の記事の内容です。
期中:標準レート × 実績工数
期末:実際レート × 工数 + プロジェクト別引当
これで 現場・経理・経営が同じ数字 を見られるようになります。
ローリングフォーキャストは、この土台がないと成立しません。
【ステップ2】未来の変動要因を“数字化”する
● プロジェクトの進捗
● 外注費の増減
● 材料価格の変動
● 人員の出入り
● 設備稼働率の変化
これらを 工数・レート・数量 に落とし込むことで、 “未来の数字”が作れます。
【ステップ3】毎月“未来12ヶ月”を更新する
毎月の月次締め後に、
● 実績の反映
● 未来の見直し
● プロジェクト別の更新
● 原価の変動反映
これを行い、常に 最新の未来12ヶ月 を持つ。
これがローリングフォーキャストです。
例えば3か月が経過した場合、3+9フォーキャストを作ります。言うまでもなく、3=3ヶ月の実績、9=今後9か月の予測です。当然、翌月は4+8を作成することになります。
■ 結論:予算は過去、フォーキャストは未来
l 予算は「約束」
l フォーキャストは「現実」
経営者が見るべきは 未来の数字 です。
ローリングフォーキャストは、
財務会計・管理会計・現場の数字が統合されて初めて機能します。
そしてこれは、製造業の現場・財務会計・管理会計をすべて理解している人にしか設計できません。
さらに申し上げますと、欧米企業では8+4あるいは9+3フォーキャストをベースに次年度予算を作ってゆきます。そのためには年度末が迫る8+4や9+3フォーキャストの年度着地予想精度は高いものである必要があります。
■ 自社のフォーキャストを作りたい方へ
ローリングフォーキャストは、会社ごとに最適な設計が異なります。
● 工数管理の有無
● プロジェクトの種類
● 原価構造
● 人員構成
● システム環境
ご興味があれば、
貴社の実データを見ながら最適な形を一緒に作ることもできます。
今回は以上です。
次回のブログをお楽しみに。
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