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会計Ver09. 「固定費管理を安定させるための Accrual(引当)の使い方」

  • 執筆者の写真: Shigenori Tanaka
    Shigenori Tanaka
  • 4月15日
  • 読了時間: 3分

更新日:5月27日

2026/04/15

皆さんこんにちは。


今回は固定費管理に有効なAccrual(引当)についてのお話です。

 

固定費は、人件費以外にも広告宣伝費・採用費・研修費・コンサル費など様々あります。問題なのは予算で想定した発生月と実際の発生月がズレる ことが多々起きるということです。

 

たとえば予算では「7 月に 500 万円発生」と見込んでいても、 実際には 6 月に前倒しになったり、10 月に後ろ倒しになったり、 場合によっては翌年に繰り越されることもあります。

 

この “発生月のズレ” が P&L の予算差異を生み、 Group 経営陣との不毛な差異問答につながります。 さらに発生主義だけで処理すると固定費が乱高下し、 損益分岐点や固定費トレンドの分析を誤らせます。


 

🟦 Accrual(引当)活用の勧め


私は、固定費は Accrual(引当)を用いて予算、フォーキャスト、実際処理にも月割り計上し、固定費をできる限り毎月平準化するのが最も合理的と考えています。

 

例:年間広告宣伝費 500 万円、実際の発生は 7 月と仮定。


  • 予算:1〜7 月で均等に計上(約 71 万円/月)

  • FCST:同じく均等

  • 実績:毎月 71 万円を Accrual(引当)として計上し、実際に発生した 7 月に累計 500 万円を取り崩す

 

この運用により、予算・FCST・実績が 完全に同じ動き になります。


 

Group 経営陣は B/S を見ません。 彼らが見るのは P&L の予算差異だけ です。 だからこそ、月次ベースで固定費差異を出さない運用が財務には求められます。

 

🟦 Accrual(引当)を積むことで “Good Surprise” を生み、 “Bad Surprise” を防ぐ


Accrual を積まずに発生主義だけで処理すると:


  • 想定外のタイミングで費用が発生

  • 予算差異が突然出る

  • Group から「なぜ?」の問答が始まる

 

これは欧米企業で特に嫌われる “Bad Surprise” です。

 

一方、予算通りに Accrual を積んでいれば:


  • 実際の発生額が少なければ → 12 月に引当を戻し 利益が増える(Good Surprise)

  • 実際発生ゼロでも → 12月に全額戻せばよい

  • 予算編成(9〜11 月)では → “今年の費用+α” を根拠に来期予算を確保できる

  • 余剰引当は → 不測の事態への安全マージン になる

 

これは会計処理としても管理会計としても合理的で、経営の安定性を高める健全な運用です。

 

🟦 Accrual(引当)を積むこと自体が、予算管理の仕組みになる


毎月 Accrual を積むという行為そのものが、 財務と現場に 予算を常に意識させる仕組み になります。


  • 予算通りに積む

  • FCST も予算通り

  • 実績も予算通り

  • 差異が出ない

  • 説明コストがほぼゼロになる

 

これは、予算管理を“仕組み化”する最もシンプルで強力な方法です。

 

🟦 これこそ子会社コントローラーの腕の見せ所


固定費の平準化、Accrual(引当)の適切な運用、 Good Surprise の創出、Bad Surprise の防止、 来期予算の安定確保、不測の事態への備え。

これらはすべて、 子会社コントローラーの実務能力そのもの です。

 

欧米Group 経営陣は:


  • 予算統制の確実性

  • 差異管理の安定性

  • Bad Surprise を出さない財務運営

  • Good Surprise を生み出す管理能力

 

を高く評価します。

 

こうした運用を継続的に実行できるかどうかが、 子会社コントローラーの力量を測る重要なポイントです。

Accrual を使った固定費管理は、 子会社の経営管理能力を示す最も分かりやすい指標 であり、 欧米Group からの信頼を獲得するための重要な武器になります。

 

 

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固定費管理、Accrual(引当)運用、予算統制に関するご相談は info@metricjapan.com までお気軽にお寄せください。

 

 

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