工場デジタル化Ver08. 「Pareto Chart × 不良対策」— “選択と集中”で改善効果を最大化する方法
- Shigenori Tanaka

- 4月7日
- 読了時間: 3分
更新日:5月27日
2026/04/07
皆さんこんにちは。
今回は、製造現場で最も基本的でありながら、 最も誤解されやすいテーマである Pareto Chart(パレート図)と不良対策 についてお話しします。
多くの工場では、 「不良率を下げたい」「AI で不良原因を特定したい」 という声が上がりますが、 実際には データの使い方を間違えると改善が進まない という現実があると思います。
🟦 1. 製品別に「生産ボリューム × 不良率」を可視化する
最初に行うべきは、製品別に:
生産ボリューム
不良率
を表計算にまとめることです。
これにより”不良品ボリューム”=生産ボリューム×不良率が製品別に計算できます:

次に上記右側表計算を以下Pareto Chartに展開します:

これにより、
生産量が大きい
不良率も高い
という “会社に最も損失を与えている製品” が一目でわかります。
** Pareto Chart の本質は「どこに集中すべきか」を見つけることです。
🟦 2. 上位製品をさらに深掘りし、不良内容で分類する
次に、上位に来た製品について 不良内容を分解します。
ここで重要なのは、不良を 2つのタイプに分けることです。
🔵 タイプA:生産プロセスの修正で改善できる不良
例:
条件設定(温度・圧力・速度等)
設備状態
作業手順
時間帯・シフト差
AI が最も効果を発揮する領域です。
🔵 タイプB:金型設計・製品設計に起因する不良
例:
金型設計
ゲート位置
中子設計
製品形状の制約
** AI では改善できない領域。設計変更が必要です。
🟦 3. AI が効くのは「タイプA」のみ
AI が改善できるのは 生産プロセス起因の不良(タイプA)だけです。
しかし、ここが重要です。
✔ タイプAの不良率を 40% 改善できれば
会社にとっては 非常に大きな原価改善になります。
スクラップ削減
手直し工数削減
材料費削減
生産能力の向上
納期遵守率の改善
AI 投資の回収は十分に可能です。
🟦 4. “全部の不良を対策する”のは非効率
多くの工場がやりがちな失敗は:
「不良率が高いものを全部対策しようとする」
しかし、これはリソースが分散し、 改善効果が薄まる典型例です。
一方で、
改善すれば効果の大きい製品に集中特化するほうが、AI投資に見合う効果が期待できる。
これはまさに 選択と集中 の考え方です。
🟦 5. 結論:Pareto Chart は“入口”であり、 “出口”ではない
Pareto Chart は不良対策のスタート地点です。
どの製品に集中すべきか
どの不良が改善可能か
どこに重点を当ててAIを運用すべきか
これらを判断するための 意思決定ツールです。
そして、改善効果を最大化するには:
生産ボリューム × 不良率で優先順位を決める
不良内容をタイプA/Bに分類する
タイプAに AI を集中投入する
タイプBは設計部門と連携する
この流れが最も合理的かと思われます。
AI導入の最終目的は利益の向上にあるのですから。
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