工場デジタル化_Ver04. _ 「砂型鋳造の生産数はなぜ“理論値”とズレるのか?- 原価計算と生産管理を正しくするためのデータ設計」
- Shigenori Tanaka

- 3月12日
- 読了時間: 3分
2026/03/12
どーもです。
今日は砂型鋳造における“生産数のズレ”について書きます。
砂型鋳造では「モールド数(鋳型数) × 取り数/モールド × 鋳込み数(注湯数)」を生産数とする方法が一般的ですが、 この“理論値”は実際の生産数と必ずズレます。
このズレが、不良率・原価計算・生産管理のすべてを歪める原因になります。
本稿では、鋳造の生産数を正しく把握するための 最も実務的で再現性の高い方法について解説します。
① なぜ鋳造では“理論生産数”が実際より多くなるのか
鋳造工程では、
入れ干し
湯回り不良
空モールド
途中破損
など、工程内ロスが必ず発生します。
そのため、 (モールド数 × 取り数 × 鋳込み数)=理論生産数 はあくまで“最大値”であり、実際の生産数とは一致しません。
しかし多くの工場では、この理論値をそのまま使って不良率を計算してしまっています。 これでは不良率が正しく出ず、改善活動の方向性も誤ります。
② 理論値を使うと何が問題なのか
理論生産数を“生産数”として扱うと、次のような問題が起きます。
不良率が正しく出ない
原価計算が狂う
粗利分析が誤る
生産性評価が歪む
改善活動の優先順位がズレる
つまり、 工場全体の意思決定が間違った方向に進む という重大なリスクがあります。
③ 最も正確なのは「総検査数」だが、タイミングが遅い
検査工程での総検査数は最も正確です。 しかし鋳造では、
検査が生産日から数日遅れる
原価計算の締めに間に合わない
生産管理のタイミングと合わない
という問題があり、 リアルタイム性に欠ける という致命的な弱点があります。
④ 最適解:ショットブラスト後の“重量計測”による実生産数の取得
そこで最も現実的で正確なのが、 ショットブラスト後の重量計測によって実生産数を算出する方法 です。
ステップ1:重量計用PCにバーコードリーダーを設置
作業者はまず、 注湯完了時に生成される生産バッチIDのバーコードを読み込む。
これにより、 「どのバッチの製品か」がPC上で明確になります。
ステップ2:バッチIDに必要情報を紐づける
パレット重量(固定値)
製品一個重量(マスター登録)
計測された総重量(リアルタイム)
これらをバッチIDに紐づける。
ステップ3:システムが自動計算:
実生産数=(総重量―パレット重量)/ 製品重量
ステップ4:生産直後に“正しい生産数”が確定
これにより、
原価計算
不良率
生産管理
トレーサビリティ
DXデータ基盤
すべてが正しい数字で回り始めます。
⑤ この方法がもたらすメリット
原価計算が正確になる
不良率が正しく出る
生産性評価が改善される
ロスの実態が見える
改善活動の精度が上がる
IoT・バーコード・システム連携が容易
DXの基盤データとして活用できる
つまり、 鋳造工場の“数字の基盤”が初めて正しく整う ということです。
■ 本日のまとめ
鋳造において、 理論生産数を“生産数”として扱うことは大きな誤りです。
生産バッチの正しい生産数は、 ショットブラスト後の重量計測 × バッチID × デジタル連携 によって初めてリアルタイムに正確に把握できます。
これは原価計算にも生産管理にも直結する、 鋳造工場にとって最も重要な“データ精度の基盤”です
ご相談はお気軽にどうぞ。 60分無料相談:info@metricjapan.com 皆さまの改善活動を全力でサポートいたします。
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