経営・リーダーシップVer08. 「安全第一は“スローガン”ではなく、経営の根幹である」
- shigenoritanaka3
- 4月5日
- 読了時間: 5分
2026/04/05
今回もお読みいただきありがとうございます。
私はこれまで、経営者・コントローラーとして 海外を含む多くの製造現場の設備導入プロジェクトを統括し、 現場・顧客・本社をつなぐ役割を担ってきました。
その中で、技術・納期・コスト以上に重要だと痛感したものがあります。
それは 「安全第一」 です。
🟦 海外案件で起きた“忘れられない出来事”
数年前、コロナ禍の真っ只中に進めていた海外の大型設備導入プロジェクトで、 現地に派遣したサービスエンジニアが作業中に重大な負傷事故に巻き込まれました。
当時は、
派遣スタッフは現地で隔離措置を受けながらの作業
私自身も現地に入る際に隔離が必要
医療体制も通常とは異なる状況
という、非常に制約の多い環境でした。
詳細は書けませんが、 経営者としての価値観が根底から揺さぶられる出来事 でした。
事故が起きた瞬間、 技術も、納期も、コストも、すべてが後回しになりました。
最優先すべきはただひとつ。
「人の命と身体を守ること」
それだけでした。
🟦 事故の背景にあった“構造的なリスク”
この事故は、単純なヒューマンエラーではありませんでした。 複数のリスクが重なり合った「構造的な事故」でした。
✔ 不文律の安全基準が破られた
“機械設備据付において素手を入れて確認する”という行為は、 日本でも海外でも絶対に許されない重大な安全違反です。 今回の事故は、まさにこの不文律を破ったことが直接の原因でした。
つまり、 場所に関係なく起こり得た事故 であり、 安全基準が個人レベルで徹底されていなかったことが最大の問題でした。
✔ 指示が正しく伝わらないリスク
上司は「危険区域に近づくな」と指示したと言い、 本人は「そんな指示は受けていない」と主張しました。 この認識のズレは、海外現場では特に起こりやすいと考えられます。
✔ 言語の壁によるリスク
現地業者が母語で会話し、 日本側スタッフが状況を正しく理解できていなかった可能性がありました。 危険の兆候が言語の壁で遮断されることは、海外現場ではよく起こります。
✔ 文化・習慣の違いによるリスク
“危険”の基準は国によって異なります。 日本では当然の安全基準が、海外では“常識”ではないことが多いと思われます。
✔ 疲労蓄積による判断力の低下
据付の遅れもあり、派遣した二名のスタッフは十分な休息が取れていない状況でした。 疲労は、
判断の誤り
危険予知能力の低下
記憶の曖昧化
注意力の散漫
「指示を受けた/受けていない」という認識のズレ
といった形で安全に深刻な影響を与えます。
今回の事故も、 疲労が複合リスクの一部として確実に影響していた と考えています。
🟦 経営者として、私は何をしたのか
事故発生後、私は現地と日本の双方で動き続けました。
負傷者の治療体制の確保
家族への説明と謝意
顧客への謝罪
事故原因の調査
再発防止策の策定
関係者の心のケア
経営者として、 「できることはすべてやる」 という覚悟で動きました。
しかし、どれだけ動いても、 事故が残した傷は消えません。
この時ほど、 「安全第一は現場任せにしてはならない」 と痛感したことはありませんでした。
🟦 安全は“仕組み × 休養”で守るもの
この経験から学んだことは明確です。
✔ 安全は「教育」だけでは守れない
人は疲れるし、焦るし、判断を誤る。
✔ 安全は「ルール」だけでも守れない
ルールは守られなければ意味がない。
✔ 安全は「仕組み」だけでも守れない
どれだけ仕組みが整っていても、 作業者が疲労していれば判断力は確実に低下する。
✔ 安全は「仕組み × 休養」で守るしかない
危険を事前に排除する設計
作業手順の標準化
リスクアセスメント
現場の声を吸い上げる仕組み
多言語・多文化環境を前提としたコミュニケーション
適切な休養の確保(顧客の協力も含む)
経営者が現場に足を運ぶ文化
これらが揃って初めて、 安全は“守られるもの”になります。
🟦 経営者が最優先すべきは「人の安全」
技術は取り返せます。 納期は調整できます。 コストは回収できます。
しかし、 人の命や身体は取り返せません。
経営者が最優先すべきは、 どんな時も 「安全第一」 です。
🟦 最後に
私はこの経験を通じて、 「安全第一」という言葉の重さを知りました。
それはスローガンではなく、 経営の根幹であり、 組織の文化であり、 現場で働く人の人生そのもの です。
これからも、 どんなプロジェクトでも、 どんな現場でも、 私は必ず「安全第一」を最優先にしていきます。
海外案件の安全管理や現場マネジメント、多文化環境でのプロジェクト運営について、 もしお困りのことがあれば、どうぞ気軽にご相談ください。
私自身、コロナ禍での海外設備導入や、 制約の多い環境下での意思決定・現場統括を経験してきました。 その中で得た実務的な視点や学びが、 皆さまの現場や組織づくりの一助になれば幸いです。
お問い合わせ先: info@metricjapan.com
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