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経営・リーダーシップ_Ver04. _「事業再生ケース①アワーレートの誤設定が利益を圧迫していた話」

  • shigenoritanaka3
  • 3月13日
  • 読了時間: 3分

                                2026/03/13

 

どーもです。

 

今回は、利益率が低迷していた企業を立て直したときの実例をご紹介します。

 

 

■ はじめに

ある製造系の企業グループで、私はグループの経営統括をしていました。 その中で、売上規模はあるものの、営業利益率が低迷している会社を最初に任されました。

主力事業の利益率が特に低く、まずは原価構造の分析から着手しました。

 

■ 問題の核心:アワーレートの誤設定

分析の結果、典型的な中堅・中小企業で起こりがちな問題が見つかりました。

  • 実際の労務費アワーレート:5,000円

  • 社内で使われていたレート:3,000円


この誤ったレートを基準に

  • 原価計算

  • 見積

  • 受注判断

 

が行われていたため、プロジェクト単位では利益が出ているように見えても、 実際の原価を反映すると利益率が大きく圧迫されていました。

営業部門は「利益が出ている」と認識しており、危機感がありませんでした。これは製造業の再生で最も多い“見えない赤字”の典型です。

 

■ さらに深刻だった“期間ズレ”

工数計上のタイミングがバラバラで、 月次の利益が大きくぶれる状況も発生していました。要は仕掛原価の状態であるべきなのに売上原価に工数が計上されたり、その逆もしかりという状況でした。このズレは、利益率が低迷している企業でほぼ必ず見られる構造的な問題です。

 

■ 私が行った改革

私は全社に次の方針を明確に伝えました。

 

① 実際のアワーレート(5,000円)で見積を作成する

「今までの見積では利益が出ないのは当然」と説明。


② 客先と労務費単価の値上げ交渉を行う

交渉が難しい場合は、 見積時間数を増やして実際の原価をカバーする 方式に変更。


③ ERP を一から再設計し、プロジェクト原価を可視化

プロジェクト単位で

  • 工数

  • 材料費

  • 外注費


が正しく積み上がる仕組みを一から構築しました。(これには3年以上費やしたことを覚えています)

これにより、営業・技術・経理が同じ数字を見る「One Truth」が実現しました。

 

④ 給与・賞与の上方修正(リスクを取った施策)

技術職のモチベーションを維持するため、 利益改善を見込んだ上で 給与・賞与を上方修正

これはリスクのある判断でしたが、 技術者の離職を防ぎ、結果として生産性向上につながりました。

 

■ 結果

  • 利益率は大幅に改善

  • 見積精度が向上し、営業の判断基準が変わった

  • プロジェクト原価が明確になり、経営判断が迅速化

  • 技術者のモチベーションが上がり、離職リスクが低下

  • 組織全体が「正しい原価」で会話できるようになった

 

 

■ 教訓

  • 事業再生は「赤字企業の救済」だけではない

  • 利益が出ていても、構造が歪んでいれば将来必ず崩れる

  • 原価の誤設定は“静かな赤字”を生む

  • ERP の再設計は再生の強力な武器

  • 正しい原価を共有することで組織が一枚岩になる

  • 人への投資(給与・賞与)は再生の重要な要素

 

 

今回は以上です。

次のブログをお楽しみに。

 

 

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